企業法務コラム

米国を「AA+」に格下げ

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8月5日、米長期国債の格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から1段階引き下げて「AA+(ダブルAプラス)」に格下げした、と発表した。大手格付け会社が米国債を格下げするのは初めて。
G7財務相・中央銀行総裁会議が週明けの8月8日早朝に緊急の電話協議にて開催。市場への資金供給など金融市場の安定に向け各国が協調して対応すること、外国為替市場でドルの急激な下落などがあった場合には、市場への協調介入なども検討するとの、共同声明がなされた。しかし、投資家の不安は完全には払拭されず、米国債の格下げ、世界経済の先行き懸念を背景に、株安の連鎖に歯止めがかからない状況となっている。
ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は一時、前週末終値比380ドル超も急落し、取引時間中としては昨年12月上旬以来約8カ月ぶりの安値水準となる1万1059・49ドルを付けた。8日は東京市場でも日経平均終値が約4カ月半ぶりに9100円を割り込んだ。アジア、欧州の株式市場でも主要株価指数が軒並み大幅に下落。オバマ大統領は、8日午後1時(日本時間9日午前2時)、ホワイトハウスで声明を発表。
「格付け会社が何と言おうと、われわれは、トリプルA国家であり続ける」と述べた。こうした強気の発言にもかかわらず、株価は、オバマ大統領の声明の最中に下げ幅を拡大し、株安に歯止めをかけるには至らなかった。

※参照
2011年8月16日 ブルームバーグ
「米国を「AA+」に格下げ、赤字めぐる政策決定を批判-S&P」

2011年08月19日
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