企業法務コラム

FRB、QE2打ち切りへ。米雇用低迷

6月22日午後発表のFOMC(米公開市場委員会)声明で、2010年11月から続いていたQE2を6月末で打ち切ることを確認された。QE2とは「量的金融緩和第2弾」の意味で、10年11月から11年6月まで、月750億ドルペースで合計6000億ドル分の米国債を購入するというものだった。一部にはQE2の継続、近い将来のQE3を期待する声もあったが、これについては全く触れられなかった。

バーナンキFRB議長は、長期金利の低下より、株価高騰を目していたところがあり、実際QE2により米株価は高騰した。FRBは「株価高騰→個人株主の資産上昇→個人消費の活発化→工業生産の活発化→雇用の増大」という絵を描いていたが、あいにく雇用は低迷したまま。富裕層はQE2の果実を取得したが、中間層にまでは回っていない。しかも、中国等の新興国からは、「QE2という金余り政策が投機マネーの拡大を生み、商品価格を高騰させ、新興国の物価上昇を招いている。」と批判されている。このためQE3は見込み薄だ。

※参考
2011年6月23日 夕刊 日本経済新聞
「米景気回復「幾分遅い」 FRB、追加措置は慎重」

2011年06月29日
法律事務所ホームワン