企業法務コラム

会社更生手続き中の日本航空、12月にも200人以上の整理解雇へ

11月15日、会社更生手続き中の日本航空(JAL) は、事業規模減に合わせた人員適正化に向け、パイロットと客室乗務員、および休職者を対象として、最大250人の雇用契約を一方的に打ち切る「整理解雇」を実施すると発表した。12月から順次解雇する方針とのこと。
日航と管財人の企業再生支援機構は東京地裁に提出した更生計画案の中で、グループの社員数4万8714人(2009年度末)から約1万6000人を削減する方針を掲げており2010年3月から特別早期退職措置、希望退職措置を開始。これまでに約5260名の応募を受け付けているが、10月26日から11月9日まで実施した希望退職の最終募集では運航乗務員で約20名、客室乗務員で約50名の応募にとどまり、目標とする数に達しなかったという。
日航は15日、労働組合側に整理解雇の方針を通告。
パイロットの労働組合「日本航空乗員組合」からは「ワークシェアリングを検討して欲しい」といった要請も出ていたが経営側は拒否。客室乗務員の労働組合「日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)」の幹部は「当初から特定の人間を辞めさせようとする意図を感じた」と不信感を募らせている。このまま整理解雇が実施されれば、労使関係の悪化は必至。
企業訴訟やストライキなど労使紛争が長期化する可能性もあり、経営再建のための整理解雇が、逆に大きな影響をおよぼすかもしれない。

※ 参照ニュース 
11月16日 日刊トラベルビジョン
「日本航空、希望退職最終応募は約70名、約200名の調整が必要-整理解雇へ」
11月16日 日本経済新聞 電子版
「「時間ない」日航が整理解雇 労組反発、訴訟リスクも」
11月16日 毎日新聞:毎日jp
「日本航空:整理解雇250人 希望退職が予定下回り--来月にも」

2010年11月22日
法律事務所ホームワン