企業法務コラム

中国政府、人民元弾力化を発表

中国人民銀行(中国の中央銀行)は6月19日、声明を発表し、人民元為替制度の弾力化を強化する方針を示した。米国などは歓迎する姿勢を見せている。ただし、人民銀行は人民元が大幅に上昇する可能性は排除している。

オバマ大統領は短い声明で、「中国が自国為替制度の柔軟性を拡大するとの決定は、景気回復の確保と世界経済の一段の均衡化に寄与する建設的な措置」と指摘した。

中国政府は世界の景気後退が深刻化した2008年半ば以来、国内経済の安定化策の一環として、人民元を1ドル=6.83元付近に事実上固定している。これに対し、中国製品が人為的に安価に抑えられ、中国の輸出企業に不公平な恩恵を与えているとの批判が、貿易相手国の間でここ数カ月一段と強まっていた。事実上の固定相場制を放棄することにより、国際的な批判をかわし、国内的には、潜在的な政治危機の可能性を抑えることができるほか、国内経済の長期的な見通しを改善できるかもしれないとの見方が出ている。

※ 参照ニュース 
6月20日 ウォールストリートジャーナル
「中国、自民元の柔軟性強化を発表-大幅上昇の可能性を排除」

2010年08月10日
法律事務所ホームワン