企業法務コラム

安全資産へのシフト

5月14日のユーロ圏金融・債券市場ではドイツ連邦債が上昇した。2年物利回りは過去最低水準付近に低下した。緊縮財政措置が経済措置を阻害するとの懸念が株価を圧迫し、安全資産としての債権への逃避買いが膨らんだ。

さらに、5月20日のアメリカ金融・債券市場では、米国債価格が急上昇した。債務問題に対する欧州各国の足並みが一致せず、効果的な対策が打ち出せないでいることで市場の不安が払しょくしきれないでいることに加え、経済成長が鈍化するとの懸念から米株価と商品価格が下落したことで、米国債への買いが膨らんだ。

現時点で市場を動かしているのは不安感であり、それが高いリスク資産を圧迫している。また、株式市場は緊縮財政措置が成長に与える悪影響への懸念に圧迫されている。これらは、とりわけ米国債や独連邦債の主要国の政府債とっては好材料であるとの見解もある。

※ 参照ニュース
5月14日 プレジデント・ロイター
「ユーロ圏金融・債券市場・終盤=独連邦債が上昇、株安で逃避買い膨らむ」

「米金融・債券市場=急上昇、欧州債務問題への懸念払しょくされず」

2010年06月02日
法律事務所ホームワン