企業法務コラム

ギリシャ危機の波及防止のため、巨額の緊急支援措置を打ち出し

欧州連合(EU)財務相理事会と欧州中央銀行(ECB)は、5月10日に巨額の緊急支援措置を打ち出した。EUは、支援が必要になったユーロ圏加盟国に総額5000億ユーロの融資・融資保証を提供する緊急支援措置を打ち出し、国際通貨基金(IMF)もさらに 2500億ユーロを拠出する。

ECBは今回の措置の中で、前例のない措置に踏み切った。ユーロ圏の政府債及び民間債権を購入するという措置である。しかしながら、この措置は非常に慎重に行われると見られ、政府債、民間債買い入れに際して、流動性吸収オペを実施して「不胎化」を図る方針も示しており、買い入れの効果が弱まる可能性がある。

今回打ち出した措置を長期間、積極的に実行する政治的意思があるのかとの疑問の声や安全網の導入では財政悪化の根本原因に対処できないという指摘もあり、ユーロ建て資産が今年初めの危機前の水準を回復する可能性は低いと見られている。

※ 参照ニュース
5月10日 プレジデント・ロイター
「欧州緊急支援措置、効果は短期的か」

2010年05月25日
法律事務所ホームワン