親族承継

子どもに承継させるメリット・デメリットと、事業承継の失敗例、さらに事業承継のテクニックをご紹介します。

子に承継させるメリット、デメリット

メリット

  1. 内外の関係者から心情的に受け入れられやすい
  2. 自分の「事業への思い」を継いでもらえる
  3. 個人不動産を担保提供 担保も併せて承継可
  4. 保証人になってもらいやすい

デメリット

  1. 親族内に、経営の資質と意欲を併せ持つ者がいるか
  2. 相続開始後、後継者と他の相続人との紛争が起きやすい
  3. 金銭的不安
    ア.
    株式譲渡 → 買入資金
    イ.
    生前贈与 → 贈与税
    ウ.
    相続承継 → 相続税
  4. 決定が遅れると、教育不十分、古参従業員とも軋轢

準備は早ければ早い方がいい

  1. 準備が早ければ早いほど、メリットが拡大し、デメリットが縮小する。
  2. 徐々に会社の実務を覚えさせることができる。
  3. 落下傘的に社長就任しても、従業員がついてこないが、 早くから次期社長という意識を従業員に刷り込んでおけば、 従業員の人心を掌握可能。
  4. 銀行との交渉の場に立ち会わせることで、企業の継続を銀行にアピールでき、銀行との信頼関係もアップする。
  5. 相続対策も時間的余裕があった方がやりやすい。
  6. 相続税の支払いについても、対策を立てやすい。
  7. 生前に株式を売却するとなると、いつ売り時(決算が悪化)が来るかもしれず、絶えず時期を見計らっている必要がある。

相続失敗例1

3人兄弟中、長男を後継者と定め、300株中100株を生前贈与。その後に相続開始。

→長男が200株の3分の1、66株を当然に取得するわけではありません(長男が166株を保有し、株式の過半数を支配できるわけではない)。 200株は長男、次男、三男の共有となり、次男、三男が結託すれば200株について自分たちの意見で議決権行使できます(長男は少数株主に)。

相続失敗例2

300株中、10株を雇われの代表取締役社長(親族外)が所有、290株を父から譲渡を受けた長男が所有、定款には相続人に対する売渡請求条項が定めてある状態で、相続開始。

→代表取締役社長が、長男に対し株式の売渡請求することを議題にして臨時株主総会を招集。この場合、長男に議決権はないため、総会決議で株式の売渡請求が可決され、長男が追い出されてしまう。

売渡請求

で株式を取得した者に対して、会社がその株式を売り渡すように請求できる旨を定款で定めることができる。会社が実際に売渡請求するには、その都度、誰の株を何株買うかを決定し、株主総会の特別決議が必要となる。相続の開始を知って1年以内に請求しなければならない。

相続失敗例3

300株中、10株を元オーナーの父親が黄金株として所有、290株の普通株を後継者の長男が所有、次男、三男がいる状態で、相続開始。

→この場合、黄金株を三人兄弟で共有することになり、次男、三男が拒否権を有する状態になる。

黄金株(拒否権付種類株式)

定款で予め定めのある特定の事項について、株主総会ないし取締役会の決議に対し拒否権を持つ株式のこと。

MBO

MBOとは、本来は会社経営陣が、銀行から借りた金で、株式ないし事業を買い取ることを言いますが、中小企業の事業承継にも利用できます。

  1. 後継者が出資して、受け皿会社(B社)を設立。
  2. 金融機関がB社に融資(A社の株式を買い取る資金)。
  3. B社がオーナーから株式を買い取る。
  4. A社を吸収合併する。

メリット

  • A社の売上で融資返済を行える。
  • 元オーナーが生前に現金を取得でき、相続税支払にも利用できる。
  • 贈与ではないため、特別受益等の相続問題を引き起こさない。
こういったスキームによる融資を行っている金融機関との橋渡しも行いますので、お気軽にご相談ください。