資金繰り

財務分析指標財務分析を行ううえでの指標

債務償還年数等、財務分析にはいろいろなツールがあります

債務償還年数は10年以内であれば合格点

債務償還年数とは、借入金を利益で完済するのに要する年数を表す数字です。返済能力を重視する銀行としては、融資するに際し、最も重視する数値の一つです。

債務償還年数=(有利子負債合計-所要運転資金)÷理論上のキャッシュフロー

有利子負債 = 短期借入金+長期借入金+社債+割引手形

所要運転資金 = 売掛金+受取手形+割引手形+在庫(商品や原材料など)-買掛金-支払手形

理論上のキャッシュフロー = 税引後当期利益+減価償却費

債務償還年数が10年以内であれば、一応合格点と言えるでしょう。

流動比率

流動比率とは、流動資産と流動負債の比率です。流動資産は、1年以内に現金化できる財産、及び、通常の企業活動の中から生じた債権です。流動負債は、1年以内に返済すべき負債です。流動負債が多いということは直近の資金需要があることを意味し、資金繰りにとってマイナスですが、逆に流動資産が多ければ、そのマイナスを補うことができます。

流動比率=流動資産÷流動負債

これが1を下回ると、返済能力を疑われることになります。

在庫回転期間

買った商品ないし作った商品がどのくらいの期間で売れているか、現金化されているかを示した数字です。抱えている在庫が少ないほど、必要資金は少なくても済んでいることになります。在庫が多いということは、商品として売れない在庫を多く抱えているか、過剰に在庫を貯えているかのどちらかです。

在庫回転期間(月数)=在庫÷平均月商

銀行は、在庫回転期間が1ヶ月以内なら「安心」、2ヶ月で「ぎりぎり安心」の領域ですが、3ヶ月になると「不安」になり、6ヶ月となると「危機的」と感じます。過大な在庫は陳腐化、不良化を疑わせるからです。

在庫回転期間の増減も重要です。増加傾向にある場合、銀行は、資金繰りの悪化を警戒します。

売掛債権回転期間

売掛金をどのくらいの期間で回収できるか(-=現金化できるか)を見る数字です。売掛金を早く回収できればできるほど、運転資金が少なくて済むことになりますので、銀行の評価も高くなります。

売掛債権回転期間(月数)=(売掛金+受取手形+割引手形)÷平均月商となります

売掛債権回転期間が短ければ、資金繰りは楽になり、長ければ、資金繰りが厳しくなります。売掛債権回転期間は3ヶ月くらいまでなら適正ですが、3ヶ月を超えると、危険水域です。売掛債権回転期間が6ヶ月超となれば、それだけで異常視されます。

本来、売掛金のサイトは変わらないのが普通ですから、それが長期化した場合、銀行は異常事態が起きたのではないかと考えます。

支払いを手形でしてもらえれば、手形割引が可能ですので、資金繰りの好転につながります。ただ、手形は管理が面倒として、利用が減少しています。この点で、銀行としてもファイナンスがしやすくなる電子手形制度の利用拡大が期待されるところです。

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